荘司福・荘司貴和子展
−院展の巨星・創画の新星−
院展の代表的な作家の一人,荘司福。福の息子の妻貴和子。
福は自然の奥底にあるものを見つめました。残雪の沼に咲く真っ白い水芭蕉。生命力が感じられます。
一方、海を描いた喜和子の作品は抽象的です。どこか懐かしさを感じさせる情景です。互いの才能に尊敬の念を抱きあった義理の親子の展覧会です。
「福は具象的な作品。貴和子は抽象的な作品を描いていましたが、
それぞれ自然のをモチーフにして描いているという共通点があります。
対象的な作風を持つ二人の作品を合わせて紹介することで、戦後の日本画のあり方の一端をご紹介したいと考えました」。福は今の女子美術大学を卒業後結婚。しかし30歳で夫と死別します。
再び絵を描き始め地域の人々の暮らしなどに目を向けました。
50代半ばからはアジアアフリカなどを取材します。
これは仏教の造形や信仰に触発された作品です。中央に描かれた仏。動物の骨は全ての命には限りがあることを暗示しています。
結婚する息子と妻になる貴和子の姿。紅白の花は祝福を表現しています。
「刻」。織田信長に滅ぼされた戦国武将朝倉氏の居館跡の光景です。遠い昔の武士たちの興亡を知るのは苔むした石だけです。
貴和子は当初抽象的な作風でしたが次第に具体的な形を描き始めます。
この作品に描かれているのは椿の花であることがわかります。
作風にはやがて情感が色濃く漂うようになります。背後にあるのは急速に都市化が進む時代への警鐘です。喜和子は日本人が伝統的な風習とともに目出てきた月を描きました。失われゆくものを慈しむ思いが感じられます。
この展覧会は神奈川県の平塚市美術館で6月9日まで。
会場:平塚市美術館
会期:2019年4月20日~6月9日
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