トム・サックス
ティーセレモニー
展覧会場に現れたのは手作り感満載の宇宙探査機。
中には様々な道具がぎっしり収められています。
鉄瓶のようなものに茶筅。
NASAのロゴがなんともポップな茶碗。
現代アーティスト、トム・サックスが宇宙を舞台に茶の湯の世界を捉え直して作りました。ティーセレモニーと題した展覧会が東京で開かれています。
こちらは展覧会初日の様子。作者のトム・サックスさんが自作の道具で茶を立て振る舞いました。トムさんは1966年生まれ。学生時代建築を学んだ後にアートの世界に。現在ニューヨークを拠点にユーモア溢れる作品を発表しています。
日本の茶の湯の世界が作り上げる精神をリスペクトしているというトムさん。茶道は七年前に本格的に習い始めました。
トムさんが作り上げた茶室のある空間。
こちらは石灯籠に見立てたもの。バケツやクーラーボックスなどを素材にして作られています。こちらは松の盆栽。
松の葉は大量の綿棒で表現しました。
そして工事現場の立ち入り禁止柵や断熱材などを用いて作った茶室。トムさんは身近な素材を寄せ集め、立体の造形物を作り上げます。
茶室は四畳半。主人と客が親密な関係を作るのに適した広さと言われます。
トムさんが惹きつけられるのは千利休の美意識です。
茶室に入って目を引くのが床の間の掛け軸描。
描かれているのは千利休に見立てたボクシングの元世界チャンピオンモハメド・アリ。これもトムさん流のおもてなしです。
「私は千利休の静寂、調和、もてなしの理念に共感しています。そして彼の「見立て」という考えに影響をうけています。茶人はその人生を作動に捧げます。私も創作活動に人生をささげたいと思います」。
独自の美意識によってそれまで茶の湯の道具でなかったものを道具として見立てた利休。
常に新しいユニークな工夫がないか、その見立ての面白さを富むさんは 探求しているのです。
展覧会は新宿区の東京オペラシティアートギャラリーで来月23日までです。
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:2019年4月20日~6月23日
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