複号の彫刻家たち展
毛むくじゃらの足。
その正体はウインクをする猿です。ペロリと横に出された舌。
テープで隠されたピアスの穴。そして胸元の薔薇。
下山直紀は高村光雲の老猿にオマージュを捧げつつ、現代的な世界観を表現しています。日本の伝統技術に根差しながら枠にはまらない捜索を目指す彫刻家たちの展覧会。
松田重仁の黄金の芽。種の部分は金に金箔。螺旋を描いて伸びる木は真鍮。継ぎ目の見えない職人技。異なる素材を巧みに組み合わせ伝統技術と現代彫刻の融合に挑戦しています。
安藤泉のシマウマ。金属を叩いて板状に伸ばす鍛金の技術。中は空洞になっています。
茶褐色の部分は薬品で色を変えた動。白い部分には金箔が貼られています。
近未来的な姿をした少年。
林茂樹はこれを磁器で作りました。
70以上のパーツをそれぞれの大きさに合わせて焼き、汲み上げるのは至難の技。
1年以上の歳月をかけました。
成長するにつれ牙が伸び頭に刺さる間際に死ぬ。死を見つめる動物と言われるバビルサ。大森暁生はのみで掘り丁寧に漆をかけて仕上げました。
「最後まで造形しないと気が済まないんですよね。ところがこのこういうタイプの人間っていうのは凝れば凝るほど、仕上げれば仕上げるほど、俺上手いだろうと鼻につく作品になりなる危うさがあると思うんですね。最後漆を塗るとあのいやらしさがですねコーティングしてくれるんです。まろやかに隠してくれる」
職人技と芸術の融合。目黒の長泉院付属現代彫刻美術館で来月23日まで。
会場:長泉院附属現代彫刻美術館
会期:2019年4月20日~6月23日
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