サルバドール・ダリ作「テトゥアンの大会戦」(諸橋近代美術館所蔵)
「白い鳩」と呼ばれるこの町は1859年から1860年のスペイン・モロッコ戦争によってスペイン軍よって占領されました。
ダリは14歳の時、画家マリアノ・フォルトゥーニが描いた「テトゥアンの大会戦」と出会います。ダリはそのころ父親や美術学校の権威に反抗し、屈折した日々を送っていました。
後年、ダリは少年時代に見たこの作品をオマージュするかのように描いたのが「テトゥアンの大会戦」です。
作品をよく見ると複雑で奇妙な世界が広がります。
空を飛ぶ馬、巨大な女神に向かう刃。そしてあることに気づくのです。
先頭を疾走するのは勇ましく剣を振り上げるモロッコの騎馬兵。
そこに描かれているのは二人の男女。
ダリとダリの妻・ガラの姿だといわれています。
ではなぜダリは作品に二人の絵を描いたのでしょうか。
新美の巨人たち「奇才ダリの大作『テトゥアンの大会戦』」ではその謎に迫ります。
奇才ダリの大作『テトゥアンの大会戦』×シシド・カフカ
放送:2019年6月15日