印象派への旅 海運王の夢
バレル・コレクション
フランスの印象派エドガー・ドガの作品。チュチュを着た少女たちのバレーの風景です。軽やかにポーズを取る様子を描いています。画面全体に目を向けると右端にはスナップ写真のように切り取られた人物の姿。
螺旋階段には駆け下りてくる人の足が少しだけ見えています。生き生きとした動きが効果的に表された作品です。この絵に魅了されたイギリスの実業家がいました。
スコットランドで生まれたウィリアム・バレル。海運業で成功を収め巨万の富を得ます。生涯、美術品の収集に情熱を注ぎました。海運王と呼ばれたバレルの9000点を超えるコレクション選りすぐりの名品が一同に会しました。
「当時の人たちはイングランドを飛び越えてフランスにとても興味があったらしいのです。今回お見せしてるのはその中の近代絵画のコレクションですね。
本人がビジネスマンだったってこともあって、非常に落ち着いた感じの、心を鎮めてくれるようなそんな作品だと思います」
晩年のマネが描いた静物画。穏やかな優しい光が感じられます。
庶民の日常を描いたリボーの作品はバレルのお気に入りでした。掃除の手を止め熱心に本を読んでいる女性。
この真摯な表情にバレルは共感したのかもしれません。
少女たちの日常の一コマを描いたモンティセリの作品。空や木々の細やかな筆の跡。地面に落ちるくっきりとした影。
ゴッホを始め多くの画家たちに影響を与えました。
夕日の浜辺にたたずむ貴婦人。口ルマンディー地方の海岸です。1865年の夏。
クールベはこの海岸に魅了され、2年間空と海の風景を描くことに没頭しました。
こちらもノルマンディー地方の港町。大胆な筆運び帆船や空が描かれています。バレルはこのブーダンの絵をこよなく愛しました。
「バレルは15歳の時から海運業で働いてるんですね。だから小さい頃から船に対して何か憧れとか、特別な思いを抱いていたことは間違いないので、バレルの宝物のように大切にされていた絵なのではないかと思います」
この展覧会は東京渋谷の文化村ザ・ミュージアムで30日まで。
会期:2019年4月27日~6月30日
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