生誕125年記念 速水御舟
樹齢400年という椿の古木を描いた屏風。対角線上に大胆に伸びる枝に色とりどりの花が咲き誇ります。
作者は大正から昭和の初めに活躍した速水御舟。数々の傑作を残しながら40歳で亡くなった鬼才です。御舟のコレクションで知られる山種美術館で所蔵作品全120点が公開されます。
御舟は早くからその才能を認められ、23歳の若さで日本美術院の中心メンバーの一人となります。以来新しい日本画表現を目指し様々な画風に挑戦します。
大正の中ごろには日本画の絵の具で油彩画の質感に迫ろうと試みます。
枝の色合いから花びらの膨らみまで細部にこだわってみずみずしく描いています。
御舟の代表作、炎舞。古典の様式美と観察に基づくリアリティとの融合に挑みました。漆黒の闇に浮かび上がる炎。その周りを蛾の群れが怪しく舞います。斬新な画風が近代日本画史上最高傑作とも評されました。
しかし御舟の飽くなき探究心は続きます。3年後に描かれた翠苔緑芝。
左席の色鮮やかな紫陽花には独創的な技法を試みています。
胡粉をわざとひび割れさせて色を付け、紫陽花のがくの質感を表現これまで誰も試みたことのない技法でした。
「ある一つの作風を極めたと思ったらそれを潔くやめて今度は全然違う作風に取り掛かると言った、非常にあの生涯を通じて色んな変遷を遂げた人で、そこがなかなか他の画家にはない面白いところだと思います」
東京・広尾の山種美術館で8月4日まで。
会場:山種美術館
会期:2019年6月8日~7月7日、7月9日~8月4日
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