円山応挙から近代京都画壇へ
京都から離れたこの場所に円山応挙とその一門による襖絵が残されています。その数165面。
若き日にこの寺の住職に学費を支援された応挙。
その恩返しとして一門をあげて作品を描きこの寺に贈りました。
その作品が今、
東京上野へやって来ています。
金色に輝くのは応挙最晩年の傑作《松に孔雀図》
応挙は知識に頼らず、
誰もが見るだけで楽しめる新たな絵の世界を切り開きました。
原寸大に迫る大きさで描かれた孔雀。的確で勢いのある筆使いが臨場感を満たします。
応挙の絵の裏側には大乗時の絵と同じ配置で襖絵が飾られています。
農村の風景を描いた呉春の《四季耕作図》伝統的な山水画を得意としていた呉春が応挙との出会いによって親しみやすい題材を手掛けるようになりました。
「応挙が始めたことは富裕な商人、それから庶民と言ったらいいのでしょうか、そうした人たちが楽しめる絵、これが京都の絵だということで受け入れられていったのだろうと思います」
応挙の絶筆とも伝わる《保津川図》
しぶきを上げる急流を見事にとらえた傑作です。
それから100年。竹内栖鳳が描いた《保津川図》です。京都画壇の重鎮も応挙に学びました。
人物表現にも強いこだわりを持っていた応挙。
ふとした表情から人物の背景を想像させ、物語へと誘います。
応挙の影響は明治大正昭和と近代京都画壇へ続いていたのです。
東京藝術大学大学美術館で今月29日まで。その後京都で開催されます。
会場:東京藝術大学大学美術館
会期:2019年8月3日~9月1日、9月3日~9月29日
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