「リニューアル記念特別展
桃源郷展
―蕪村・呉春が夢みたもの―」
江戸中期に活躍した画家、与謝蕪村が書いた桃源郷とその弟子呉春が描いた桃源郷。
蕪村の絵には庭小舟に乗った漁夫が桃源郷の入り口に差し掛かる情景。
そして呉春は桃源郷に着き村の人々に迎えられる漁夫の姿を描いています。桃源郷という共通の夢を追った蕪村と呉春の足跡を辿る展覧会です。
「桃源郷の図は、もとは陶淵明の桃花源記に基づいて物語を絵画化するという形で発展してきましたけれども、
桃が持つ神仙思想や道教といったイメージと
強く結びついたことで、
中国では特に桃源郷の絵の中には神仙世界に縁の深い動物や仙人たちが描かれることが多いです」
陶淵明を敬愛する蕪村が桃源郷で暮らす人々を描いたと考えられる作品。
蕪村は自らを年老いた漁夫に重ねて描いています。
そして青い頭巾の老人は陶淵明を投影した姿です。
現世では決してまみえない憧れの象徴と
桃源郷で出会う夢が描かれています。
長年アメリカにあったため日本では初公開となる呉春の屏風絵。
桃花源記に記された漁夫や桃の木。
犬や鳥の姿も描かれています。
仙人風の老人たちの中心に座っているのは蕪村画に現れる陶淵明の姿であり、呉春が蕪村に影響されていたことがわかります。蕪村が夢見た桃源郷は呉春に受け継がれ独自の展開を遂げていきました。
呉春は新たに円山応挙に習った写生画に転じます。その筆使いで桃花源記を描いています。
住民は中国風に描かれていますが、村のたたずまいはどこか日本風。呉春が生まれ、慣れ親しんだ京の山里の風情に似ています。
呉春は独自の桃源図の可能性を切り開いていきました。
この展覧会は港区の大倉集古館で11月17日まで。
会場:大倉集古館
会期:2019年9月12日~11月17日
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