美人画の時代
春信から歌麿、そして清方へ
色ごとに版を重ねて作られる多色刷りの浮世絵。
その中で身分や年齢にとらわれない普遍的な美しさを求めたのが美人画でした。
江戸時代黄金期の美人画を紹介する展覧会です。
多色刷りの美人画。その草創期を築いた鈴木春信。
男女の出会いをドラマチックに切り取りました。ほっそりとした体に中性的な顔立ちの人物は晴信ならではの描きかたです。
江戸隅田川の渡し船を3枚続きの広い構図で描いた鳥居清長。八頭身の健康的な女性像は江戸のヴィーナスと称され、美人画黄金期の幕開けを飾ります。
上半身をクローズアップした大首絵。黄金期を牽引した喜多川歌麿が得意とした構図です。
髪の毛のくし目のあと。切れ長の目。
茶托を持つ手の所作。女性の感情まで伝わってくるようです。
当時江戸で人気絶頂だった3美人を描いた作品。整った鼻筋、ふっくらした頬。
3人の個性を巧みにかき分けています。
特別な依頼を受け歌麿が筆で描いた肉筆画です。膝を立てくつろぐ遊女の姿。なんとも艶やかです。
明治に活躍した鏑木清方が描いた美人画。隅田川に浮かぶ船の上から花火を眺める夏のひと時です。
趣のある後ろ姿。
柔らかな表情は江戸時代の美人画を思わせます。
「江戸を象徴するような自然の景色を自分の作品に取り込んだりですとか、江戸の街を彩る四季折々の自然の中で暮らす人物像の表現に深く共感を覚えたと。いわゆる黄金期というのは清方にとって一つの理想郷であったとされています」
東京の町田市立国際版画美術館で11月24日まで。
会場:町田市立国際版画美術館
会期:2019年10月5日~10月27日、10月29日~11月24日
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