凹凸に降る
浜口陽三。何度も海外に渡り自身のスタイルを模索した20世紀後半を代表する版画家です。
彼がよく描いたのはさくらんぼやナッツ。背景に黒い闇が広がる哲学的な作品です。
この独特の風合いは銅版画によるもの。
銅の板に無数の傷をつけることで生まれる繊細な明暗です。
浜口の姿勢に共鳴し新しい表現を模索する現代作家3名の展覧会です。
テーマは凹凸に黒。
小野耕石の立体作品。浜口の闇とも通じるような黒い壁がそそり立っています。
回り込んでみると幾重にもページが連なる本だと気づきます。
黒いインクを固めた版を7206枚重ねました。時間の経過が込められています。
和紙職人で版画家の滝沢哲也が作った発酵絵画。
下地は米粉を塗り重ねたもの。
インクは発酵させた麹菌です。
日本各地の米や味噌の麹菌から生まれた不思議な作品です。
中谷ミチコの作品。
横から見ると凹凸がはっきり分かります。
石膏の型に彩色し透明樹脂を埋める独自の手法です。
今回浜口の作品と響きあうように展示したのは黒を基調とした夜を固める。
暗闇の中に浮かび上がる女の子の顔。黒の樹脂が深く透明感のある闇を作り出しています。
展覧会は東京中央区ミュゼ浜口陽三ヤマサコレクションにて、12月22日まで。
会場:ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション
会期:2019年10月5日~12月22日
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