ブダペスト―ヨーロッパとハンガリーの美術400年
欲望に負け手を伸ばす愚かな老人と金を盗もうとする娘。
一方、若い男の手に硬貨を押し付け愛を買おうとする老婆の姿。
いびつな男女の関係を皮肉を込めて描いたのはドイツの画家クラーナハです。
スペインの画家エルグレコの作品。
耳や逆立つ髪は素早く大胆なタッチで描かれています。こうしたヨーロッパの名作に強い憧れを抱いた国があります。国交150年を記念しハンガリーの二つの美術館から傑作が来日しました。
日本であまり知られてこなかったハンガリーの美術。シネー・メルシェが描いた代表作です。紫のドレスを着ているのは画家の妻です。
晴れ渡る青い空。明るい緑と黄色で描いた草むら。
ドレスの紫色との対比が心地よい美しさを生んでいます。
ハンガリー近代絵画の第一歩とされる名品です。
「ハンガリーの美術というのは特に19世紀から非常に活発に展開されました。
ヨーロッパの方では印象派であるとか写実主義といった新しい動きが出てきます。ハンガリーの画家たちというのもヨーロッパの周辺諸国の美術が中心地に学びに行って、そしてそれを持ち帰ってきて、独自に展開させていきました」
ムーンカーチがハンガリーの大平原を描いた作品です。
全体的にぼんやりと霞む風景。
立ち上る砂埃。
全ての色彩が溶け合うような効果を生んでいます。
印象派に学び、光や空気を捉えようとした1枚です。
チョーク・イシュトヴァーンの初期の代表作。
外から差し込む冷たい光とテーブルランプの暖かい光。
現実離れした青の色彩が二人の孤児の深い悲しみを感じさせます。
チョン・トヴァーリがギリシャの街並みを描いた作品。
薄明るい空の下にはアクロポリスの丘と通りを行き交う馬のシルエット。
絵には光の中心が二つあります。
一つは月。
もう一つは大きな家の壁です。
19世紀以降ハンガリーの画家たちは独自の美術を展開していきました。
会場:国立新美術館
会期:2019年12月4日~3月16日
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