「New Photographic Objects 写真と映像の物質性」
今年、新人写真家の登竜門として知られる木村伊兵衛写真賞を受賞した横田大輔の最新作。
大きなビニールシート18枚には抽象的なイメージが重ねられています。
水しぶきのように見えるのは大判フィルムの残骸です。
沸騰させた現像液につけたことで、思いがけない色彩と形を見せました。
横田は写真を構成する物質に注目し、試行錯誤を繰り返しています。
写真や映像の可能性を独自のアプローチで広げる現代作家たちの展覧会です。
「滝沢浩さんのクリミナルガーデンという作品は、展示室と作り付けのガラスケースを利用したインスタレーション作品です。
撮影した写真をプリントして、それを何枚も繋げてさらにハンドスキャナーで読み込んだ画像を大判のシートに印刷して中に貼りこんでいる複雑な工程を経ています。
なのでよく見るとスキャナーのエラーを意図的に起こして動画ゆがんで見える部分があったりすることに気づく瞬間が訪れる。イメージと物質の境目であるとかを明確にこれと特定できない状態の変化、流動的なものを色んな素材や物質を使って追及している作家だと私は思っています」
気鋭のアーティストデュオ、Nerholは、時間や存在のゆらぎを写真で表現してきました。
数百枚に及ぶ写真を積み重ね、立体的になるよう刃物で彫り込んでいます。
しかも一枚一枚の写真は動画を時間経過とともにプリントしたもの。
移りゆく写真の時間は彫り込むことで新たなイメージを生み出します。
美術作家迫鉄平は一瞬を切り取るスナップ写真の技法を映像で試みました。
店先のシャッターをスマートフォンのカメラでとらえた場面。
画面の中でこれから何が起きるのか。そして何を切り取るのか。
見る側に委ねます。
「撮ろうとする時に、自分の感性みたいなものではなく、既にある歴史とか映像とか普段見てるテレビとかyoutubeとかなんでもいいと思うんですけど、そういうところで得た体験とか経験みたいなものが、実際に自分の歩いてる路上で起こるみたいなところが一つ撮影の同期になってるとこか思っていて、
決定的瞬間っていうことをスナップ写真を見る人も求めるし撮る人も求めるって言うようなところがあるんですけど、それからもう1回動画を使って外すことで人は何を見たいと思ってるんだろうかとか自分が何を撮りたいって思ってるかっていうことは少し考えるきっかけになればいいなと」
牧野隆の映像作品。
日常風景の映像を200以上重ね、特殊効果により作り上げた抽象的な世界。
急速に発達するデジタル技術によって表現の可能性もまた広がっているのです。
会場:埼玉県立近代美術館
会期:2020年6月2日~9月6日
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