森本草介展
写実絵画の殿堂と呼ばれるホキ美術館。
所蔵点数はおよそ480。
ほとんどが現代日本の作品です。
コレクション第一号は写実絵画の巨匠、森本草介の《横になるポーズ》
驚くほど高度な写実性。
静謐で気品あふれるセピア色の画面。
一目で心を奪われた美術館の創設者、保木政夫は36点の森本作品を蒐集しました。
開館10周年を迎えたホキ美術館で森本草介展が開かれています。
森本が写実絵画に思いを定めたのは30代半ば。
当時、画壇の主流は抽象画でした。
森本の代表作《光の方へ》
画面左からの柔らかな光が、浮かび上がらせる美しい背中。
肌の起伏が織り成す繊細な陰影まで捉えられています。
無数に重ねた薄塗り。
体内に血が流れているような人物を描くこと森本は目指していました。
「本当に一点たりとも手を抜いたなと思える作品がないんですね。1年に4作しかお描きにならなかったってこともありますけれども、
ものすごいシャイだったので、モデルさんに直接声をかけるって事は一切できなくて、で奥様が声をかけになったりとかしてらっしゃったみたいですし、先生はこだわってる背中があるんですね。こういう骨格の人じゃないと描きたくないとかっていうのがあるみたいで、そうするとホテルのプールに行ってあの骨格って決まったら奥様が声をかけるとかってこともあったようです」
清楚なドレスに身を包みくつろいでいる女性。
衣装や髪型、アクセサリーは妻が用意した候補の中から森本が選びました。
実はこの作品大きなダメージを受けながら修復により蘇ったものなのです。
去年10月千葉県を襲った集中豪雨により美術館の地下は浸水。
100点もの作品が被災しました。
その後建物の改修とへの修復を必死に進め、この展覧会を実現させました。
森本は風景画の傑作も残しています。
フランス中部の村の光景。
横幅が2メートル以上もある大作です。
風景画を描くときは絵の中に入りこみ、散歩をしている気分で楽しんだという森本。
愛する自然を少しでも多く描きこみたい。
森本の風景画は年を追うごと横へと広がっていきました。
この展覧会は千葉市のホキ美術館で11月16日まで。
会場:ホキ美術館
会期:2020年8月1日~11月16日
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