チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

「北脇昇 一粒の種に宇宙を視る」【アートシーン】

f:id:tanazashi:20200930204853p:plain

 

 

北脇昇 一粒の種に宇宙を視る

 

f:id:tanazashi:20200930204823p:plain

二つ並んだかえでの種は戦闘機。

枯れたひまわりの花は管制塔のようです。

この作品は日中戦争が始まった年に描かれました。

戦争の時代を中心に活躍した北脇昇の展覧会です。

f:id:tanazashi:20200930204841p:plain

北脇は1901年生まれ。

京都で活躍しました。

f:id:tanazashi:20200930204642p:plain

シュルレアリスムの影響を受けた画家として知られています。

f:id:tanazashi:20200930204656p:plain

ユーモラスな顔と思いきや、実は無脊椎動物ヒドラとその断面図です。

今回の展覧会で特に注目しているのは図式を描いた作品群です。

f:id:tanazashi:20200930204712p:plain

これは因数分解の公式を絵にしたもの。

f:id:tanazashi:20200930204721p:plain

画面左下はAの二乗。

f:id:tanazashi:20200930204736p:plain

2掛けるAB。

f:id:tanazashi:20200930204753p:plain

右半分はA+Bの二乗を表しています。

北脇は作品についてこう述べています。

f:id:tanazashi:20200930204807p:plain

「本来抽象的な概念内容の完成化を試みた。新世界への探検である」

f:id:tanazashi:20200930204623p:plain

「前衛美術というと、ヨーロッパから新しいものが入ってきて、その影響のもとに作るって人が多いですけれども北脇昇は自分でいろんなことを考えて、どんどんそれを自分のものにしてしまう。

f:id:tanazashi:20200930204610p:plain

そして戦争の時代の中で世の中がこの先どうなっていくかわからないっていう時に、ひょっとしたらそういう分からない時代でも何か法則があるかも知らない。それを絵にすることができたら世の中の役に立つかもしれないっていうふうに考えたらしいんですね。そこが北脇昇のとても面白いところだと思います」

f:id:tanazashi:20200930204600p:plain

北脇の発想の背景にはドイツの文豪ゲーテの共感がありました。

f:id:tanazashi:20200930204549p:plain

菜の花の影ゲーテの横顔になっています。

データは植物から芽が出花が咲くという変化を観察し、そこにある法則を明らかにしようとしました。

北脇もゲーテと同じ態度で世界を観察すれば何か法則が見つかるかもしれないと考えたと言います。

f:id:tanazashi:20200930204535p:plain



北脇の関心は東洋の思想へも向かいます。

この絵では世界を陰と陽で解釈する中国の易の考え方を取り入れています。

上は陽の世界。下は陰の世界。

北脇は陰と陽とが混じり合い穏やかに調和する世界を表現しようとしています。

戦争中の困難な時代によって独創的な試みです。

f:id:tanazashi:20200930204521p:plain

東京国立近代美術館で10月25日まで。

 

会場:足立美術館

会期:2020年9月11日~10月25日

映画、ドラマ、アニメの動画視聴ならU-NEXT<ユーネクスト>。映画やドラマ、アニメの名作はもちろん、最新作も超充実なコンテンツ数が特徴です。その数120000本以上。まずは31日間の無料トライアルを是非お試しください。