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響くアートの愛好家

新美の巨人たち 内田祥三・東京大学総合図書館

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東大生たちの学ぶ力を培い、学ぶ喜びを支え続けた図書館は、東大総長も務めた建築界の巨人・内田祥三が造り上げました。内田建築の特徴シンメトリーに、内田ゴシックと呼ばれる重厚な造形…「知」の殿堂は「美」の殿堂でもあったのです。そこに込められた内田の思いとは?今回は又吉直樹さんが、テレビ初公開となる『東京大学総合図書館』を訪ねます

 

日経おとなのOFF 2020年 絶対に見逃せない美術展(日経トレンディ2020年1月号増刊)
 

美の巨人たち 内田祥三・東京大学総合図書館

放送:2020年10月3日

 

 

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最難関の大学です。

入学するとしたらですけど。

今はちょっとご遠慮いただいているそうですが、入るだけならどなたでも入ることができます。

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東京大学本郷キャンパス

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そこに息を呑むほどの建物があります。

一歩入れば。

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「これはすごいですね」

まるでハリーポッターの世界のようですが。

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ここが東京大学総合図書館。

百年近い歳月の中で、東大の学生たちの学ぶ力を培い、学ぶ喜びを支え続けた知の殿堂。

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豪華です。しかも美しい。

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本日は又吉直樹さんがテレビ初公開、東大の図書館。知られざる美の世界へ。

驚くのは。

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喋りません。密にもなりません。読書の秋です。

ではお静かに。

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さらに今回は名だたる世界の美しい大学図書館もあわせてご紹介。

 

 

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文京区本郷にある東京大学本郷キャンパス

本郷から上野の不忍池に至るおよそ56ヘクタール。

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東京ドーム12個分という敷地の中に教養学部を除く9つの学部が集まっています。

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江戸時代この広大な土地には加賀藩の江戸上屋敷がありました。

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その名残が赤門です。

この赤門を抜けて数分ほど歩くと噴水のある広場。

又吉さんもちろん訪ねるのは初めて。お目当ての図書館です。

東京大学総合図書館。やっぱり雰囲気ありますね」

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今日の作品。東京大学総合図書館。

高さ31メートル。全長76メートル。中央部分は5階建て。

両側は4階建ての鉄骨鉄筋コンクリート作り。

現在ここにはおよそ130万冊の蔵書があります。

左右対称の揺るぎないシンメトリー。

そのデザインが。

「形面白いですね。本の背表紙が並んでるみたい」

確かに本棚のように見えます。

ベイウィンドウと呼ばれる張り出した窓がさながら背表紙のよう。

入り口には9つのアーチが連続し、それを支えるゴシック様式の太い柱。

重厚にして荘厳な造形です。

なぜ図書館の前に噴水があるのか。

その理由は後ほど。

では中へと参りましょう。

作者は東大総長も務めた建築界の巨人・内田祥三。

東大を作り東大を守り抜いた男。

「いきなり正面にかなり大きい階段が出てきましたね。これはすごいですね」

赤絨毯が鮮やかな、まるで光の大階段。

「簡単には本に出会えないんですね」

大階段を上る前に前に又吉さんは左側へ。

「天井高い」

ここは記念室と呼ばれている学生たちのための閲覧室。

天井の照明は創建当時に使われていたシャンデリアを復元したものです。

畳四枚ほどもある巨大な机が置かれています。

ウッドパネルの壁面には学生たちを見つめる二つの視線。

イギリス国王ジョージ五世から送られた雄鹿の剥製とインドのネルー首相が寄贈した

詩人タゴール肖像画

さて、本はどこにあるのでしょう。

「この階段は気持ちいいですね」

新入生がこの階段を上ると入学した喜びを楽しめるそうですよ。

 

 

 

登りきった三階のホールには。

「壮観ですねこれは。その奥にまた部屋がありますね」

三階で最も大きなスペースを割いているのが。

「本がありますねついに。ここで本が読めるんですね」

大閲覧室です。

東西の長さ70メートル座席数はおよそ300席。

天井や壁に装飾が施された広い空間に4万冊ほどの本が置かれています。

本たちはここでずっと、誰かの手に取られるのを待っています。

「これは読みやすそう。名前のプレートがありますね」

この机も創建当時から、90年前から使ってるものですが、だいぶ古くなっているので、寄付をいただいて今回改修したんですが、その寄付を頂いた方のお名前をプレートで」

「感謝の気持ちを込めて」

「又吉さんも寄付いただけると」

「寄付しようかなー。図書館のためなら」

 

 

 

ではこの図書館の誕生までの物語。

明治10年に東京医学校と東京開成学校が合併し誕生した東京大学

帝国大学と改称した頃にはジョサイアコンドルや、辰野金吾らによって建物や施設が作られ本郷キャンパスが整備されて行きました。

しかし。

大正12年関東大震災でレンガ積みの建物は全壊してしまったのです。

その時びくともしなかったのが東大のシンボル安田講堂です。

当時建設中だった安田講堂は鉄骨鉄筋コンクリート造りだったため被災を免れました。

その設計者こそ、当時建築学科の教授だった内田祥三です。

38歳の内田は震災復興計画を一任され、同僚や教え子たちとともに本郷キャンパスを一から作り上げることに情熱の全てを注ぎ込んで行きます。

「内田さんは全体を考えている。東大を全部内田ゴシックにまとめるって言う強い統一感とデザインがコントロールされてんですけど」

本郷キャンパスには内田が手掛けた校舎が並んでいます。

風格と威厳をたたえて。

内田ゴシックと呼ばれる建物は20棟以上あります。

まさに内田祥三は建築で東大を作ったのです。

何かでも力を入れた総合図書館の建設には潤沢な資金がありました。

ある人物から莫大な寄付金が送られたからです。

三階のロビーの一角にその証が。

「これはお手紙ですか」

「この建物が以前関東大震災で全焼してしまったんですけれども、その時にジョン・ロックフェラージュニア氏から当時のお金で400万円なんですけれども寄付しますよというお手紙のレプリカを記念で飾っております」

アメリカの石油王ジョン・ロックフェラー・ジュニアが東大図書館の被災を知り、400万円、現在のお金でおよそ100億円を贈ってくれたのです。

連なるアーチにはシャンデリア。

その先にはメダリオン風のデザインが施された大時計。

潤沢な資金で内田らは絢爛豪華な空間を作り上げたのです。

又吉さんが向かったのはこの図書館の心臓部ともいえる場所。

「本の香りが。見るからに貴重な本が並んでますね」

創建当時からある保存書庫。

関東大震災後寄贈された希少価値の高いものや、極めて学問的価値の優れたものを中心とした膨大な蔵書です。

「貴重な本とかだと、誰もが触れる環境だと怖かったりもしますけどね」

「本を守るためと、本を利用して欲しいというのはジレンマですね」

「多くの人が本を読めるようにっていう目的とするなら、10年後、20年後のこと考えるとこのスタイルで問題ないんじゃないかなと思いますけどね」

東京大学総合図書館の前にはなぜ噴水があるのか。

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建築家で東大の准教授でもある川添善行さんは。

「前の図書館は関東大震災による火災で焼け落ちてしまいまして、多くの蔵書が焼け落ちてしまいました」

東大は関東大震災で75万冊の蔵書を消失してしまったのです。

その苦い経験から内田は防火設備に力を入れました。

これから増え続けていく蔵書を守るために。

「この新しい図書館ではそうした震災による被害がないように、本がなくならないようにという震災からの復興の願いを兼ねて防火水槽の役割として作られています」

この噴水こそ、内田の考えた防火設備だったのです。

「この中にあるんですか」

いったい何が。

 

 

 

世界には実に美しい大学図書館があります。

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まずはポルトガルコインブラ大学。

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ジョアニナ図書館は世界遺産に登録されている文化と知識の殿堂。

まるで王宮のような絢爛たる書架には30万冊ほどの書物がぎっしりと。

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スペイン最古のサラマンカ大学の図書館に入ってみれば、まるで大聖堂のような趣。

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書物なのか美術品なのか。

思わずため息が出てしまうほど。

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東京大学総合図書館の前にある噴水です。

実はここに意外なものが。

「この噴水の下を覗いてみてもいただいてもいいですか」

「新しい図書館その下に埋まってます」

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2017年総合図書館の別館が噴水広場の真下に誕生しました。

その設計に携わったのが川沿い先生です

円形の空間なんですね

ライブラリープラザは

学生や研究者達がグループ学習

やプレゼンテーションを通じて議論や討論ができる

新しい図書館の空港

これがさっきな噴水のとこですかそうです

ちょうど噴水のマスターになっていて水の揺らめきがそのまま

こうしたいなとしてくるような場所

面白いですね

震災復興の願いを込めた噴水だったので

そのまま新しい図書館のトップライトとして活用してます。

天井を思っているのは天然杉の放射状のルーバー。

このデザインには川添先生の驚きの工夫にひゃく

人が同時に喋っても心地よいざわめきが残るように

音を乱反射させるような設計にしていて

ざわざわしてるんですけどうるさくないそれ

はこの杉の木の配置がはい

そういう役割を持ってるとなり

形さらに地下へと降りていくと

これが自動箇所

地下には巨大書庫46メートル15階建てのマンションに相当する三層構造になっています。

ここにはさんびゃく

まん冊の本を収めることができる

といいますか

すごいなんかチョコ内は無人化され

金の出し入れは全自動で行われます

こんな本棚を見たことないですね

ちょっと今までの常識と違います

仲良しちゃんぜひにと

何冊かリクエストしてみるようで

主に太宰治の作品と

それに関する本を借りてきました

とりわけ読みたかったのが太宰

な帝大生時代に書いた同族という短編

その新聞掲載の紙面と言う読書の秋です

静寂と沈黙の時が流れていきます

お邪魔をしてはいけないので

世界の図書館へ

アイルランドのトリニティカレッジです

歴史と文化に誇りを持った図書館は

実に美しいものですぼくがロングルームと

呼ばれるアイルランドの至宝さて

東京大学を建築で作った男

内田祥三には思わぬ敵が立ちはだかったので

いったいなぜ。

 

 

東京大学総合図書館を設計した内田祥三は戦中から戦後にかけて東大総長を務めました。

終戦間際の昭和20年6月のこと。

日本陸軍が本土決戦の拠点とするために本郷キャンパスをよこせと迫ったのです。

それに対して内田はこの場所こそ我々の死にどころと考えて

毎日の仕事をしている陸軍の要求を敢然と拒絶したのです。

敗戦後に戦ったのが占領軍GHQでした。

GHQをしたい黒の教団が貼り付けたんですけど

自分が東大の歴史を守るっていうそういう決意はちゃんと持ってたんだ

白の揺るぎない決意と覚悟でした

震災からの復興のために

渾身の思いで作り上げた学問の府と家の

伝道を守り抜くため

東京大学総合図書館で秋のひとときを過ごした

又吉さんいかがでした

東京大学の総合図書館見せていただきましたけど

もちろん建築の美しさっていうのは

あると思うんですけど

その建築の美しさみたいなものが

どこから来てるのかっていうのがちゃんと

そこに本が収められる場所で

本を読まれる場所であるって言うことを踏まえた上での建物になってるって言うのを

すごくここで過ごしてみて感じましたね

人の一生を決めることがあります

本当はそういうものです

図書館はその豊かな可能性の場所です。

ここににヶ月ぐらい泊まりたい

沈黙と静寂の中で学問に没頭するために建築ができることは何か。

本と出会い本に親しむ図書館は知性と理性の内田祥三。

東京大学総合図書館。学ぶ喜びを守るため海に浮かぶ重要文化財氷川丸

横浜のシンボルがまとめの人は

 

 

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