チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

「桃山―天下人の100年」【アートシーン】

f:id:tanazashi:20201025213856p:plain


 

 

桃山―天下人の100年

f:id:tanazashi:20201025213915p:plain

京都祇園祭の巨大な山鉾。
間近で見ようと様々な階層の人々が集まってきます。
応仁の乱による荒廃から蘇った京都の活気に満ちた姿を映した黄金の画面。
織田信長上杉謙信に贈ったとされるこの屏風は後に画壇の頂点に立つ狩野永徳が23歳で描いたもの。

f:id:tanazashi:20201025213929p:plain

桃山美術の始まりを告げる記念碑的作品です。
信長、秀吉ら戦国武将が自らの力を誇示するため、美術を用い絢爛豪華な美が生まれた時代。
その百年の流れをおよそに230点の名品で俯瞰します。

f:id:tanazashi:20201025213838p:plain

桃山美術を象徴するのは天下一の城や寺を飾った障壁画。
最も精力的に描いたのが狩野永徳です。
天を目指して立ち上がる巨大なヒノキ。
手を伸ばしているかのような枝。
圧倒的な生命感に満ちた巨木表現です。

f:id:tanazashi:20201025213822p:plain

永徳最晩年の作品で、元は秀吉が造営した御殿のために描かれた襖絵でした。

f:id:tanazashi:20201025213811p:plain

永徳の最大のライバル長谷川等伯が描いた楓の図。
秀吉が早世した息子、鶴松を弔うために描かせました。
永徳の巨木表現に赤や緑の楓の葉、咲き誇る秋の草花など装飾性を加えた華麗な画面。
等伯独自の自然に対する豊かな感性が感じられます。

f:id:tanazashi:20201025213802p:plain

モノクロームの傑作《松林図屏風》も等伯の手になるもの。
墨の濃淡だけで深い霧の中の冷たく湿った空気と無限の奥行きまでも描き出しています。
50代半ばで描いたこの作品はパトロンの意向とは関わりのない個人の心象風景のように見えます。

f:id:tanazashi:20201025213754p:plain

室町時代から江戸時代の初期は約100を扱っていますけれども、その中で動きのある力のある。そして権力的な暴力的なと言ってもいいような時代が桃山ですから、信長そして秀吉という人によって新しいものが作られていった。この時代独自の自由で活気に満ちた文化の力。桃山というものを感じ取っていただければこの展覧会の意味がより大きくなるんじゃないかと思っています」

桃山美術が花開いた16世紀は世界史上の大航海時代
日本でもこの時代ならではの作品が誕生しました。

f:id:tanazashi:20201025213745p:plain

眠る幼児キリストと聖母たちはヨーロッパで描かれたもの。
絵を納める小型祭壇・聖壇は日本で作られたもの。
蒔絵と螺鈿で草花や鳥が緻密に表された輸出用の漆器です。
日本と西洋との出会いが高度な技法の中に現れています。

f:id:tanazashi:20201025213734p:plain

こちらは江戸時代に入ってからの作品。
狩野山楽《牡丹図襖》

f:id:tanazashi:20201025213726p:plain

金地に大きく配された岩が大胆に水平と垂直のリズムを刻んでいます。
狩野山楽は永徳の弟子。
狩野派本家が江戸に移り勝者の画風に変わる中、山楽は京都に残り、永徳の豪壮な様式を守り伝えました。

f:id:tanazashi:20201025213718p:plain

この展覧会は上野の東京国立博物館で11月29日まで。

 

会場:東京国立博物館

会期:2020年10月6日~11月29日

映画、ドラマ、アニメの動画視聴ならU-NEXT<ユーネクスト>。映画やドラマ、アニメの名作はもちろん、最新作も超充実なコンテンツ数が特徴です。その数120000本以上。まずは31日間の無料トライアルを是非お試しください。