KING&QUEEN展 ―名画で読み解く 英国王室物語―
15世紀から現在までイギリス王室の歴史をおよそ90点のポートレートでたどる展覧会です。
シェイクスピア劇にも登場する16世紀の王、ヘンリー八世。
ルネサンスの教養人にして専制君主。
男子の後継者欲しさに離婚と結婚を繰り返し宗教制度すら変えました。
この肖像画そんな王の複雑な内面を捉えています。
ほっそりとした首にBのイニシャルが入った首飾り。
アン・ブーリンはヘンリー八世の二番目の妻。
しかし男子を授かることなく姦通の罪を着せられて首をはねられました。
アンブーリンとヘンリー八世から生まれたのがエリザベス一世。
豪華な真珠のネックレスを身にまとっています。
母が処刑され、王女の称号を剥奪されたエリザベス。
この絵で自らの王位の正当性をアピールしたと言われます。
「華やかな存在として自らを見せるということが、それ自体が意味があった。肖像を制作するという風なことは顔がよく似てると以上にむしろ王室がどのような国王女王のイメージを見せたいのかという風なことが反映されてるという点が興味深いです」
王室の意図とは裏腹に18世紀には国王をからかう風刺版画が流行りました。
食卓のジョージ4世。
お腹が膨らんでボタンも止まらないほど。
頭の上には暴飲暴食を改め禁欲生活を送った人物の肖像が皮肉たっぷりに描かれています。
その20年ほど後、同じジョージ4世を描いた作品。
ダイエットに成功したのではありません。
どんな人物も優雅で高貴に。
王室画家の腕にかかればこの通り。
この現在の王室の肖像も展示されています。
1953年にエリザベス二世が戴冠した時の写真。
絵画と写真の違いはありますが伝統と権威を印象づけるイギリス王室の肖像画の伝統が生き続けています。
東京の上野の森美術館で来年の1月11日まで。
会場:上野の森美術館
会期:2020年10月10日~2021年1月11日
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