1894 Visions ルドン、ロートレック展
東京駅近くの三菱一号館美術館。
赤レンガの建築は明治27年。
1894年に建てられた丸の内初のオフィスビルを同じ場所に復元したものです。
この1894年を軸に当時活躍したルドンとロートレック。
対照的な二人に焦点を当てた展覧会が開かれています。
オディロン・ルドンはフランス象徴主義を代表する幻想の画家。
世界有数のルドンコレクションを誇る岐阜県美術館から名品が展示されています。
ルドンが50代半ばまで黒一色で異形の生き物など幻想的な世界を展開します。
石造りの神殿に現れた巨大な眼球。
石版画の小さな世界で心の奥底を覗き込むかのように探求を続けました。
1894年はルドンが大きく変貌した年。
色彩にあふれた作品を発表し始めたのです。
色彩画家ルドンの代表作が三菱一号館美術館が誇る《グラン・ブーケ》。
およそ2メートル50センチの巨大なパステル画です。
パステルの明るく淡い色調。
塗り重ねができる特性を生かして花々が神秘的に描かれています
色彩を用いてルドンは探求し続けてきた幻想世界をさらに深化させたのです。
1894年はトゥールーズ=ロートレックがパリの歓楽街モンマルトルを舞台に活躍していた時代に重なります。
3年前の1891年。
27歳でこの2メートル近いポスターでデビュー。
一躍人気画家となります。
大胆にトリミングした手前の男性をシルエットで表し
看板ダンサーと鮮やかに対比。
抜群のデザインセンスで街ゆく人々の目を釘付けにしました。
簡略化された線と大きな色面。
スター歌手の存在感を見事にとらえたポスターで荒っぽい口調で人気を博したというブリュア。
不敵な笑みも印象的です。
そして1894年のロートレックは新たな世界に挑みます。
レスタンプオリジナルは愛好家向けの限定100部の版画集。
ルノアールやピサロも参加し、版画史において記念碑と言われるこの企画に誰よりも積極的だったのがロートレックでした。
舞台袖から歌手をとらえたこの版画では色調や質感など細部にまで目を配っています。
大きなポスターから小さな版画へ、造型の探求に命の炎を燃やしています。
「1894年頃に流行していたものの感覚っていうのは実は相当部分で現在まで引き継がれてるんですね、
例えばポスターの表現の技術の中で絵の中にレイアウトで文字を入れていくという時に空間の余白を活かす。これはロートレックがしてきたことですし、ルドンのようにですねパステルの色数が工業的に生産されるようになって、選択肢が増えていった。ちょうどパソコンのモニターの上が色鮮やかになっていたっていう課程はちょっと現代と19世紀末っていうのはパラレルな部分があるのかなという風に思っていますけれども」
展覧会は来年1月17日まで。
会場:三菱一号館美術館
会期:2020年10月24日~2021年1月17日
映画、ドラマ、アニメの動画視聴ならU-NEXT<ユーネクスト>。映画やドラマ、アニメの名作はもちろん、最新作も超充実なコンテンツ数が特徴です。その数120000本以上。まずは31日間の無料トライアルを是非お試しください。