ベルナール・ビュフェ回顧展 私が生きた時代
黒く尖った線が特徴的な画家のサイン。
その作品も鋭利な線で構成されています。
描いたのはベルナール・ビュフェ。
20世紀を駆け抜けたフランスの画家ベルナールビュビュフェの展覧会が開かれています。
戦後間もなく20歳前後に描かれた処刑後のキリスト像。
画面にはスーツやコートを身につけた人たち。
現代の出来事として捉えたモチーフとなっています。
十字架から降ろされ運ばれるのはキリストなのでしょうか。
力を失った姿を捉えた線。
その傍らに佇むのはビュッフェ本人と母と思われる姿。
ビュフェは2年ほど前に母を亡くし、絶望に打ちひしがれていたのです。
「自分自身の人生の辛さ。それと第二次世界大戦があって、終わってもまだ世の中はすさんでいるわけですよねこの時代。48年位。まだその名残が残ってるかなというところで、それでも全部この絵の中に入れ込められていると思いますね」
内省的な作品を描いてきたビュフェに大きな転機が訪れたのは30歳の時。
ある女性との出会いでした。
女性の名はアナベル。
人気モデルで妻となった女性です。
ビュフェは黒い線を強調したメリハリのある人物像に仕上げました。
黒く大きな瞳がアナベルの強さを示しているようです。
自らピエロに扮したビュフェ。
繰り返し描いたモチーフです。
その目は真っ直ぐに前を見つめます。
ビュフェの強い意志を感じさせます。
晩年を代表するシリーズの一つがドンキホーテの物語です。
これは洞穴の探検に向かおうとする一場面。
体に縄をくくりつけ入ろうとした時。
穴から突然鳥たちが飛び出してきたのです。
誇張された劇画的手法で自らの人生を重ね合わせているのかもしれません。
東京渋谷区のbunkamuraザミュージアムで来年1月24日まで。
会期:2020年11月21日~2021年1月24日
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