眠り展:アートと生きること ゴヤ、ルーベンスから塩田千春まで
まどろむ女の子と男の子。
描いたのはバロックを代表する画家ルーベンス。
亡くなった兄が残した幼い子供達がモデルだと考えられています。
あどけない寝姿はルーベンスが描く宗教画の天使のイメージにも重なります。
19世紀フランスで写実主義の運動を率いたクールベ。
横たわる女性をありのままに描き理想化された裸婦像の伝統をうち壊しました。
眠りをテーマに古今東西のアーティストの作品を集めたユニークな試みです。
展覧会を象徴するのはゴヤの《理性の眠りは怪物を生む》
人は眠ると理性から解放される。
不気味なフクロウやコウモリは男の夢か幻か。
フクロウが持つのは銅版画に使うニードルです。
眠りは想像力を生み、想像力が芸術を生む。
そう暗示しているのでしょうか。
「芸術家は夢というものを扱って、そういったところから人生あるいは社会というものを読み解こうと言った同期で製作をすることもありますし、また夢の中に新たな芸術の糸口を見つけようと、そういった動きもありましたので、そういう意味においては芸術の中でも眠りというのはとてもを欠くことのできないものだと思います」
幻想の画家として知られるルドン。
自由奔放な想像力で夢と現実の狭間を漂うような異形の生き物を生み出しました。
現代の作家たちも様々な視点で眠りを表現しています。
枕には生と死という両極が含まれていると語る小林孝亘。
整えられた真っ白な枕。
それはかつてそこに横たわった誰かを思い起こさせる死の象徴でもあります。
鉛の板には30種類の種が埋め込まれています。
床に置かれた管に入っているのは発芽するのに必要な水と空気と土。
いつかすべてが混じり合い、芽を出す日を待ちわびながら種は眠り続けています。
台湾のアーティストジャオ・チアエン。
夢に注目した映像作品を制作しました。
カメラが捉えるのは台湾で働く外国人労働者たち。
寝ている間に見た夢について語り始めます。
語られる夢は異国で暮らす彼らの厳しい現実を鮮やかに浮かび上がらせます。
会場:東京国立近代美術館
会期:2020年11月25日~2月23日
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