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響くアートの愛好家

「野口哲哉展―THIS IS NOT A SAMURAI」【アートシーン】

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野口哲哉展―THIS IS NOT A SAMURAI

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公園の木馬にまたがる甲冑姿の男。

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白髪混じりの口ひげ。

寂しげな瞳。

どこか哀愁が漂います。

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目を閉じてヘッドフォンで音楽に聞き入る男。

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頬杖をついてまどろむ男。

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作者は野口哲哉。

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今海外でも注目される現代美術家です。

初期から新作までの野口の代表作、およそ180点を集めた展覧会。

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野口はまず粘土で原型を作ります。

求めているのはリアリティ。

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自然な姿勢を知るため解剖学も勉強したといいます。

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原型ができたらシリコンで型を取り、樹脂を流し込んで成型。

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甲冑は本物さながら、多くのパーツをひとつひとつ紐でくくります。

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甲冑を精巧に作りながらも単に侍を再現したいわけではないと野口は言います。

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「僕は小さい頃に鎧兜を見て、鎧兜のことがすごく面白いなと思って興味を持つんですけれども、その鎧兜が何が人間の殻に見えるんです。人間が何かに適合するために愛用殻を必要としたんであれば、そこにいてどんな理由があったのだろうっていうのが子供ながらに知りたくなるわけですね」

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鎧兜は人間を理解するためのツールと野口。

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その中で生きる人のリアルな姿を追求しています。

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戦友の遺体の傍に座り、号泣したという侍の日記をもとに作った作品。

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勇壮な甲冑でも隠し切れないひとりの男の感情を捉えています。

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兜と対話する若者。

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兜が何やら小言を言っています。

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若者は冷めた表情。

実はこれ、世代間の価値観のすれ違いを表現しています。

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フェルメールの絵を引用した作品。

美しい女性の代わりに甲冑姿の男がピアノを弾いています。

オランダでフェルメールが生きていた頃、日本ではサムライたちが闊歩していた。

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彼らが遠い空の下で同じ時代を共有していたという面白さを表しました。

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昔は蝋燭の光。

今はスマートフォンの光。

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野口が作る男達は軽々と時空を飛び越えます。

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「ある種、サムライっていう言葉自体が、他人に対するレッテルの象徴のような気がするんですね。ですから、僕はサムライと言われるような人たちを作る時にも、できるだけ先入観のない目線で相手を観察したいと思っているんですけれども。this_ISnot侍ですね。これは侍じゃないってことですね。これは侍じゃなくてこれが人間なんだって思いたいですね。僕たちと同じ人間なんでしょうね」

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香川県高松市美術館で3月21日まで。その後ご覧の会場に巡回します。

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会場:高松市美術館

会期:2021年2月6日~3月21日 ほか

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