日本画と歌舞伎の世界 ―東山魁夷と近代日本の名画―
東京銀座にある歌舞伎座。
劇場の一角では日本画の名品が観客の目を楽しませています。
ここは幕間の美術館と呼ばれています。
東山魁夷の《秋映》
紅葉の向こうにそびえる秋の富士です。
千葉の市川市東山魁夷記念館。
幕間の美術館が生まれたのは戦後間もなくのことでした。
歌舞伎座と明治座が空襲で焼失。
二つの劇場の復興にある建築家吉田五十八が著名な日本画家たちに呼びかけ幕間の美術館を実現させたのです。
「建築家の吉田さんは、絵画が建築を仕上げるという信念を持っておりましたので、その集大成として歌舞伎座明治座、当劇場に収められた名作を一堂に掲げられたことは、その成果という風に見ることができます」
歌舞伎座再建の年に納められた山口蓬春の《緑陰》です。
緑の中で咲き誇る花菖蒲の清々しさ。
山口の作品は新しい歌舞伎座の門出を飾りました。
日本画家たちは歌舞伎の舞台にも関わっています。
橋本明治は歴史小説徳川家康を元にした歌舞伎の美術監修を務めました。
色合いや文様まで細かく指示が書き込まれています。
歌舞伎の演目「助六」に登場する花魁揚巻が羽織った打掛。
六世中村歌右衛門の依頼で片山南風が生地に直接筆を入れました。
七夕の短冊が描かれています。
歌右衛門の打掛には東山魁夷も筆を入れました。
歌舞伎役者中村梅玉さん。
父である歌右衛門の打掛姿を間近で見ていました。
「一流芸術家の衣装をまとってという、その姿だけでもものすごく高等な芸術性を感じます。愛おしそうに毎日着ておりましたし」
四代目中村梅玉襲名の時には東山魁夷から扇の絵を贈られました。
金地に映える紅白の梅。
歌舞伎と日本画の深いつながりから生まれた作品です。
「歌舞伎というのは日本を代表する文化芸術ですし、日本画の世界ももちろんそうそうですけれども、伝統文化芸術の歌舞伎それと、日本画の芸術性が融合して、ますます芸術点が高まるそういう感じがいたします」
この展覧会は3月21日までの予定です。
会期:2020年10月4日~3月21日
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