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「電線絵画展―小林清親から山口晃まで―」【アートシーン】

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電線絵画展―小林清親から山口晃まで―

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小林清親の浮世絵。
富士山の手前にはなぜか電柱と電線が。
明治に入って間もないこの時代、出来たばかりの電柱と電線は近代化の象徴としてもてはやされました。

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一方こちらは現代の画家山口晃の作品です。
近年景観を損ねると邪魔者扱いにされがちな電柱と電線。
山口はそこに新しい美の形と役割を見出そうとユニークな表現を続けています。
練馬区立美術館で電線や電柱が描かれた作品を集めた展覧会が開かれています。

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明治3年の錦絵。
乗合馬車をはじめ当時最先端の風俗が描かれています。

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絵を左右に横切るのは通信のための電線。
日本では明治2年に電信局が開局し、電線と電信柱がお目見えしました。
明治20年
東京に電灯が灯るようになります。

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電線がもたらす電気の光が吉原の夜をひときわあでやかに照らし出しました。

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上野公園から見た浅草の街並み。
明治の終わりには立ち並ぶ田中と路面電車が大都会東京の象徴となっていました。

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絵葉書とほぼ同じ場所で小糸源太郎が描いた作品です。
朝日を受けて輝くいらかの波とおびただしい数の電線。
印象派の影響を感じさせる細やかな光の描写が見事です。

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こちらは岸田劉生が当時住んでいた東京代々木の風景を描いた作品。
銀座で生まれた岸田にとって電柱は幼い頃から見慣れた存在でした。
自分が今暮らす代々木にもようやく電気がやってくる。

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電柱の下には岸田自身の姿が描き込まれています。

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叙情的な風景画を描いた岡鹿之助

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実は作品の中に電柱を巧みに溶け込ませています。
西洋の街並みのようなこの作品になぜ電柱を描いたのでしょうか。

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「自分は日本人であるっていうような意識がやはりあるんだろうと思います。そして絵の中で電柱というものが上手に使うことができるって言うことを彼は意識してるんだろうと思うんですね。わかってるんだろうと思うんですね。ですからヨーロッパの街のように見えますけれど、これは決してそういうわけではなくて、岡が作り上げた。自分の絵の中で作り上げた美しい街の風景。電柱のある美しい街の風景という風にして考えればいいんじゃないかなという風に思ってます」f:id:tanazashi:20210410204635p:plain

この展覧会は4月18日までです。

 

会場:練馬区立美術館

会期:2021年2月28日~4月18日ほか

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