チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

「コシノヒロコ展 HIROKO KOSHINO EX・VISION TO THE FUTURE 未来へ」【アートシーン】

f:id:tanazashi:20210425133404p:plain

 

コシノヒロコ展 HIROKO KOSHINO EX・VISION TO THE FUTURE 未来へ

f:id:tanazashi:20210425133424p:plain

日本を代表するデザイナーコシノヒロコ
60年以上にわたり第一線で活躍しています。

f:id:tanazashi:20210425133437p:plain

神戸市にある兵庫県立美術館
今創作活動の集大成となる大規模な展覧会が開催されています。
展示テーマは部屋ごとに全部で14。

f:id:tanazashi:20210425133618p:plain

こちらはチカチカ。

f:id:tanazashi:20210425133612p:plain

タイツのインスタレーションはニョキニョキ。

テーマをオノマトペで表現したいというコシノさんの遊び心です。

f:id:tanazashi:20210425133602p:plain

こちらはワクワクドキドキ。

二千点を越える歴代コレクションの中からコシノさん自身が厳選した106点の作品が並んでいます。

 

f:id:tanazashi:20210425133744p:plain

この服の中心にいるのがトレードマークのお団子ヘアーのヒロコマネキンです。
なぜ指揮をしているんでしょうか。
ご本人に伺いましょう。
コシノヒロコさんよろしくお願いします。

f:id:tanazashi:20210425133840p:plain

「この部屋はオーケストラの部屋。楽器の奏者が入って周りが合唱なんで、そういうシチュエーションで構想を練ったんですね」

今回の展覧会を回顧展にしたくなかったというコシノさん。
今の時代にも通用するかどうかを基準に直前まで作品の選考を重ねました。

f:id:tanazashi:20210425134627p:plain

「これはちゃんちゃんこ。京都で染めたものなんですね。それにこういった非常に大胆なブルゾンを着せて、感じの刺しゅうがある」

コシノさんは1982年からパリコレクションに参加するなど、世界を舞台に活躍しています。
作品のモチーフやアイディアの源は着物や歌舞伎。

f:id:tanazashi:20210425134618p:plain

幼い頃から親しんできた日本の伝統的な美意識です。

f:id:tanazashi:20210425134606p:plain

「結んでいるのは帯です。後ろから見ますと帯の結びが入ってます。背中が全部丸出しなっていて、金と銀の帯がぶら下がって

f:id:tanazashi:20210425134559p:plain

こよりでも細い紙の糸で、水引みたいな水色イメージで」

半世紀を越える長い時間デザインして来られているわけですけどそのコンセプトみたいなものは今も変わらないんですか。
「意識してやるんじゃなくて、何が好きか嫌いか。こういうのは私は嫌い。では好きってどっからくるのって言うと、子供の時から築かれたものがあるわけ。そういった中からどんどんどんどん時代によって変わっていくんですけれども、どんなに変わってもそこに流れてる自分のペーストっていうのは変わらないと思う」

f:id:tanazashi:20210425134539p:plain

ファッションと並ぶ大切な創作活動となっているのが絵画です。
会場にはおよそ200点の作品が洋服とともに展示されています。

f:id:tanazashi:20210425134913p:plain

こちらは2020年。春夏コレクションの一角。

f:id:tanazashi:20210425134905p:plain

楽器をテーマに描いた絵をモチーフにしています。

 

f:id:tanazashi:20210425134852p:plain

「ここがアトリエこんなところで描いているんです」

f:id:tanazashi:20210425134833p:plain

普段、東京ベースに活動しているコシノさんですが、毎週必ずアトリエに戻って絵を描くのだと言います。

f:id:tanazashi:20210425134810p:plain

「ここに来るとなんか突然モヤモヤって、自分で絵を表現したくなっちゃう。ちょっと汚れすぎやな。これつけないとね。この辺が汚れちゃう。やっぱり洋服屋だから、洋服が汚いのは嫌だからね。でも絵を描いてる時も、変な洋服は着たくないし。途中だからまだもうちょっと」

f:id:tanazashi:20210425135206p:plain

テーマはもちろん画材や手法もその時々に思いつくまま。
求めるのは心に浮かぶ一瞬のひらめきです。

f:id:tanazashi:20210425135314p:plain

自分に正直に感じたままを表現すること。
それがコシノさんのスタイルです。
コシノさんがお描きけになってる時ってもう夢中。

「何も考えてないんです。この世界に何かぼーっとしていて、私がこの中で入ってたここに何が欲しいかなとか。なんかこんなようなのが欲しいかなって、いつもそんなことばかり考えて。自由奔放で別に誰からなんだダサいとかなんとか言われてもないして仕方がない。それは私なんだからって感じ」

 

f:id:tanazashi:20210425135619p:plain

大阪岸和田の洋装店に三姉妹の長女として育ったコシノさん。

f:id:tanazashi:20210425135612p:plain

幼い頃から絵が大好きで、画家を夢見ながらもファッションの世界に。
常に新たな流行を追うファッション業界。
その第一線に身を置きながら、絵に向き合う時間を大切にしてきました。

f:id:tanazashi:20210425135601p:plain

「誰でもやれるようなあいな事やっていて絶対誰もいいって言わない。でもやっぱり何かが違う。人とこれが違う。でも誰でも理解できる。そこが一番難しいんだよね。ファッションっていうのある意味ビジネスです。だけれど私はファッションというものが単なるビジネスに終わっちゃだめだと思う。やはり人々の感性をくすぐるような、感覚的な部分とか、ここが何か違うんだこれがあったからすごくかっこいいんだって言う何か作り出すためには普通の人以上に違う形で努力しないと作れない」

その原点がこの時間にあるのかもしれないですね。

「そうです。その鍵がここにあると思う。だからおそらく私が絵を描かないでただ洋服だけをやってたらあんな洋服作ってられないんじゃないかな。形にはまっちゃって、こんなん作ったらこの人文句いうだろうなとか、嫌いだろうなとか、そんなこと考えるんじゃなくて私が着れるんだらあんたは着なさいよみたいな。誰が着たってかっこよく見える服作ってそれぐらいの気持ちね」

f:id:tanazashi:20210425140320p:plain

去年春、コシノさんは不思議な生き物の絵を描きました。
外出する事もままならず、アトリエにこもる日々。
思い出したのは幼い頃に夢中になった童話の世界でした。

f:id:tanazashi:20210425140310p:plain

展覧会ではこの絵を元にしたアニメーションが上映されています。

f:id:tanazashi:20210425140301p:plain

制作したのは関西で活躍する若いクリエイター。
小さな鳥たちが不思議な生き物の住むコシノさんの世界を旅するストーリーです。

f:id:tanazashi:20210425140251p:plain

こちらも若いアーティストとのコラボレーション作品。
折り紙をモチーフにしたコシノさんのペーパードレスにプロジェクションマッピングを投影しています。

f:id:tanazashi:20210425140455p:plain

ファッションからアートへ。
若い才能との出会いがコシノさんの創作活動の幅を広げています。

f:id:tanazashi:20210425140447p:plain

最後に案内されたのはこちらの展示室。
「これは何だと思いますか」

f:id:tanazashi:20210425140713p:plain

どうしてケースにみんな入ってるんですか。
「もちろんお洋服だからマネキンに着せればいいんですけど。立体を平面で見せてはどうかなと。洋服を絵画のような見せ方ってあるんじゃないかなって思って作った」
コシノさんが客員教授を務める大学の学生たちが作りました。
過去のコレクションやアクセサリーなどを学生たちに託して自由にアクリルケースの中にコラージュしてもらったのです。

f:id:tanazashi:20210425140658p:plain

「これなんかねそうなんですけど、でこれ一枚のねふわふわしたワンピースなんです。この子は唇の形にねなんかで作れない。なんだかが唇ランですね。だからもっとの洋服の形は全然ないですないですけど、あそこは2度性がありますね。よく見たらねこれやっぱりちゃんと作ってます。
恐れ多くもコシノヒロコの服を星ににするという学生さんはドキドキしたでしょうけどね。怒られるやつでもそういうことは全く関係なく自分の世界を作ればいいわけだから、すごくいいとこにおそらくこれをやった時っていうのは洋服に対する考え方とか物の考え方とかっていうものがなかって転がっていくんじゃないかなって、そういう事を仕掛けていくことが私たちの仕事じゃない」
展覧会の会場を出ると可愛らしいが並んでいます。
幼稚園の子供たちが思い思いに描いた笑顔にコシノさんが色をつけました。
創造する喜びやときめきをこれからの時代を担う子供達へ伝えたい
希望あふれる未来へコシノさんからのバトンです。

 

会場 兵庫県立美術館

会期 2021年4月8日~6月20日