チャンスはピンチだ。

響くアートの愛好家

新美の巨人たち 「和田誠」

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グラフィックデザイナー、アニメーター、ポスター制作、エッセイスト、作詞作曲、映画監督…多岐に渡りその才能を発揮し続けた希代のイラストレータ和田誠。「週刊文春」2017年7月20日号の表紙を飾ったイラストは、文春の表紙を書き始めてから2000号目となりました。暗い夜空と海原の上を一羽の鳥が飛んでいます。実はこの鳥は、第1号と同じ鳥だったのです…そこにどんなメッセージが?
和田誠の名が世に登場したのは、22歳の時にコンペで採用された「ハイライト」のパッケージデザイン。これぞグラフィックデザイナー和田誠の原点です。また和田アートの特長と言えば独特な“描き文字”。ポスターや本の装丁でその手描きフォントを見ることができます。
そんな数々の作品を残した和田誠はどんな子供だったのか?どんな青春時代を送ったのか?そして「週刊文春」の表紙を担当するようになったいきさつとは…?
今回は公私ともに親交の深かった清水ミチコさんとともに、生涯を捧げた数々のアートワークや、制作風景の映像を振り返りながら、不思議で楽しい和田ワールドをめぐります。

美術の窓 2021年 1月号

美術の窓 2021年 1月号

  • 発売日: 2020/12/19
  • メディア: 雑誌
 

美の巨人たち 和田誠

放送:2020年6月5日

 

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じっくりその絵を見ているとほっこりします。

しみじみしてしまいます。

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でもひとたびこの文字が乗るとざわつくかもしれません。

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何しろ文春砲と呼ばれるくらいですから。

ページは開きません。

ご覧いただきたいのは表紙の絵。

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眼差しの優しさと柔らかさ。

メルヘンなその世界。

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描いたのはイラストレータ和田誠

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その仕事風景です。

「これから山にお化けが出てくる」

完成した絵です。

あお化け。

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これもまたあの週刊誌に。

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独特なタッチの似顔絵は実に微笑ましく。

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「なんかすごいシンプルな中に、自分の良さも欠点も出てて、それなのに自分のことがすごい好きになります」

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本日は和田家とも親しい清水ミチコさんが巡る不思議で楽しい和田アートの旅。

 

 

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東京麹町。文藝春秋です。

ちょっと怖いので文春砲の編集部には行きません。

地下にある車庫に向かいます。

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ここが週刊文春の保存本です。

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ずらりと並べられているのがあの週刊誌のライブラリー。

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「その中から取り出したのはこちらが和田さんの二千回目の表紙です」

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今日の作品和田誠週刊文春2017年7月20日号。

表紙を描き始めてからちょうど二千作目にあたります。

夜空を背景に一羽の鳥が飛んでいます。

星たちの間に浮かんだか細い三日月が海を照らしているのでしょうか。

 

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グワッシュという不透明絵具を使って丁寧に描かれています。

鳥は一通の手紙をくわえてまっしぐらに目的地へと。

一体どんなメッセージなのでしょう。

その制作風景はこの後意外な展開を見せるのですがそれは後ほど。

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ちなみに奥様は皆さんご存知の料理愛好家・平野レミさん。

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この春出版された「家族の味」はレミさんが綴った和田家の料理レシピには、和田のイラストが添えられています。

その帯には。

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「死ぬまでにあと何千回レミのご飯が食べられるかな」

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和田誠の名が一躍脚光を浴びた伝説の作品が残されています。

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「この辺もなんかすごいね戦争色がまだ残ってて、こっからこれがハイライトですね。和田さんのデザインやっぱりちょっといい色ですね」

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1960年発表ハイライト。

ブルー地に光の放射が刻印されたシンプルなデザイン。

22歳の和田誠はコンペで一等賞を受けたのです。

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実は和田の本命は黒に銀だったそうです。

 

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虚弱体質と言うかひ弱な子で、とにかく運動が嫌いでした。

代わりに熱中したのが絵を描くこと。

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似顔絵は特にお気に入り。

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父は高名なnhkのラジオディレクターでした。

高校生活の時間割はこうです。

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科目の代わりに先生の似顔絵を並べました。

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多摩美術大学図案科に入学したのは1955年のこと。

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そして大学3年の時見事なポスターを描きました。

二十歳の和田誠日展美賞を受賞したのです。

 

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和田の母校多摩美術大学には去年彼の残した膨大な原画や資料、愛用した仕事の道具などおよそ5万点が寄贈されました。

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「これがあれですかね、学生時代に日展の賞を取りになったという夜のマルグリットのポスター。学生と思えないような作品」

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夜のマルグリットは戯曲ファウストを原案とした日本未公開のフランス映画。

それをモチーフにしたオリジナルのポスターです。

「今日はお願いします。綺麗な青ですね」

「全て画材はポスターカラーを使って描かれているんです。当時から既に似顔絵の手法という手法を確立されている所っていうのはすごいなーって思うのと、右半分の文字ですね。大きい文字だけでなく小さい文字まで職人芸と言ってもいいんじゃないかなっていうぐらいすごく」

活字のような文字も全て和田の手書きなのです。

「今だとコンピューターを使うと文字とかレイアウトは何度もやり直しができたりするんですけれども、これの場合だと一発で手書きっていうことになるので、やはり緊張感ってのが凄いものがあるんじゃないかなと」

「ドイツの戯曲、ファウストっていう下敷きにした映画らしいんですけれども、ファウスト博士の人物像と悪魔の人物像ってことで、その年老いた感じと悪魔の様子を描き分けられてるんじゃないかなとは思う」 

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そしていよいよあの表紙の原画が。

 

 

 

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週刊文春の表紙原画です。

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和田はその一枚一枚全てにタイトルをつけていました。

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「これは三半規管。耳の奥にあるもりを描かれたそうです」

「何をチョイスするかもその人のセンスですね。三半規管でこうなってんですか」

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「こちらはポーランドの切手が貼られた手紙ですね」

緻密な描写は切手のみならず消印までも。

ちなみに宛先は和田さん家。

そもそも和田はなぜ週刊文春の表紙という仕事を受けたのでしょう。

1977年春のこと。新しい編集長が訪ねてきたのです。

その頃表紙は有名女優のポートレートでした。

「どういう絵を書いたらいいんでしょう」

「ご自由に」

「ご自由には嬉しいけど何かヒントは」

「都会のメルヘン」

そして記念すべき一枚目の表紙が満天の星と三日月が浮かぶ空の下。

トリガーエアメールを加えているというもの

1枚目の鳥がエアメールを加えてる映画。エアメールスペシャルというタイトルをつけられてスイング時代のジャズの曲名だと書かれています。

敬愛するベニーグッドマンの曲名をそのまま絵のタイトルに。

和田は表紙を描くにあたってこんな事を。

「一つ自分で決めたのはそれまで使わなかった手法で描いてみよう。不透明絵の具のグアッシュで丁寧に描き込むことにした。僕のメニューに新しい料理が加わったわけだ」

週刊文春の場合だと、グアッシュっていう不透明水彩絵具をだけを使うと自分の中で決められていたようで、早い日常のありふれたものなのか、ちょっと身の回りにあるものなのかそれを本当に丁寧に毎号毎号描いていくっていうことをされているって言うのが特徴なのかなという風に思います」

テーマは本当に色々でした。

愛おしい生き物たちを描き。

土産物や生活雑貨なども丁寧に克明に。

家族旅行で北海道に行けばクラーク像、路地のマンホール。ホテルの鍵すらも。

季節が巡るたびに追悼の思いも込めました。

好きだったもの。

些細なものたちも忘れずに。

中にはこんな役得の方も。

当時家にいた愛犬のゴンちゃんを描いていただくことができましてうちの家宝となっております」

確かに家宝ですね。

ところで週刊文春のロゴもは和田がデザインしていました。

それと昨日なことに気づきます。

ロゴの色が一定ではありません。

むしろ絵に合わせてその都度変えているのです。

中にはこんな二色も使って。

イラストレータ和田誠の色へのこだわりがよくわかる資料があります。

「これは懐かしい私と三谷幸喜さんの本ですね」

清水さんと三谷幸喜さんの本のカバー。

色指定原稿です。

「ここにこのCMYと書いてるんですが、C50AM60は40とか書いてますが、これはシアンとマゼンタとイエローっていう3色のインク近畿の配合率なんですよ。頭の中にあるいろんなイメージをもこのようにして三色に分解してその割合をこの割り出していて面白いですね」

和田はどんな小さな箇所にも細かく色指定したのです。

和だが実際に使っていたカラーチャートです。

色が10%刻みに配列された色指定に欠かせないもの。

「今これ二つだけですけども、本当にその色の掛け合わせ次第で、膨大なこの色数をコントロールできるわけです」

そんな和田色の凄みを間近で見ていた人がいます。

「いつも原画の上にこうちょっとトレーシングペーパーが引いてあって、色の指定が入るんですけど、たまに伺った時に、まだ色指定を入れてらっしゃらない時があって、今週の色をしてはって言うと、パッパッと行こう何もカラーチャートとかも見ずに指定を入れなる。本当に頭の中にカラーバランスができてらっしゃるんだなーっていつも思ってました」

スタートから40年を経て、ちょうで2000号の表紙に取り掛かっている映像です。

もうお気づきかもしれませんが第1号と2000号は同じ鳥だったのです。

そこに愛妻平野レミさんが。

「でもさみんなは、二千枚だって達成感みたいのがどんな気持ちだと思って私がさ取材しようと思ったんだけどさコメントがつまんないんだよね」

もうちょっと下げたんだ

この後レミさんから鋭い質問が。

「一回目は着地している。2000枚は飛び出そうという構想。それは何時頃ン考えたの」

はたして和田の答えは。

 

 

 

 

1977年5月12日号は和田誠が手がけた記念すべき第一号です。

髪をくわえた鳥が佇んでいます。

それから40年。

2000号となる表紙も同じ鳥。

しかも飛んでいる。

この2枚の鳥にはどんなメッセージが込められていたのでしょう。

「店の人って言うさそういう風な何を考えたの」

果たして何と何ともシャイな答え。

それは鳥が考える事って押しちゃった

言葉遊びの名手でもいらしたので、そういう風に照れ隠しなのかもわかんないけど本当に書いてるうちにそういう気持ちにもなったのかしら

鳥が勝手に考えるんだからはzardのもう一つの凄みは文字にあります。

例えばこのポスターでは文字と絵っていう二つの要素がある

和田さんが描かれるあの文字っていうのが体の一部のように描かれているっていう所は本当にねそれが本当にあの子の小田さんの絵のテイストとよく合ってるので

そこに無駄かないっていうのがひとつ特徴だと思いますが一つの個性なんですね

はいまだは全ての文字のフォントは手書きでこしらえていたのです。

漢字は節ごとにストックされています。

ひらがなもアルファベットも数字も全てそれぞれのフォントを用意して

手に合うフォント色に映えるフォント

なおかつテーマを際立たせるために最適のフォントを組み合わせていたのです。

和田も人入っていいとも

なかなか自分の正体をこっち来るって言った

なかなかいないと思うんですが、私はそれをデザインの一部にしていたが

その和田さんのイラストレーションと同じようにその形が大らかで優しくて

息子ので明るさだって

笑ってるみたいなんですよねなんかどこかには人柄がうかがえたそうですね。

思った文字になってますね。

とあるビルに納める壁画に取り掛かっています

1/6スケールの件ですが

やはり緻密で丁寧な仕事

もちろん色指定もきっちりと

この壁画の完成品は渋谷ヒカリエ

誰でも普通に見ることが出来るのです。

はち階の催事場の奥の廊下を行くとこに申し訳ありませんが

愛煙家以外の方はちょっと息を止めて入ってみましょうか。

ほら緻密に色指定した動物たちの姿。

無邪気に健気に愛らしくそれぞれが旗の色をまとって。

今回見た表紙原画の中でとりわけ清水さんの目に留まった一枚が。

すごい。これも静かだけど揺らぎが伝わってきて、ずっと見ていたくなる不思議さ

てこの絵のモチーフになったのは一体誰。

 

 

和田誠が描いた表紙を全て網羅した表紙は歌う完全版原画制作は2000号で終えましたが今の40年間の取得から和田の原画が再び表紙に使われています。

そしてこの一枚。

たらい舟に揺られていく後ろ姿。

こそ佐渡たらい舟は乗らずに遠くから見ていた光景です。

なんかすごいこれも静かだけどもう動きがるって誰かに揺らぎが伝わってきてずっと見ていたくなる不思議なこれレミさんもすごく嬉しかったらしいですよね。

私は愛する妻のまたどこかメルヘンを音楽でもそうなんですけど

天才肌の人ってどこかこうシンプルですっきりしてるからなんか素朴っていうのかな

そういうところがあるから人を疲れさせないしなんかいい気持ちになるんだなって思いました。

稀代のイラストレータ和田誠が生涯を捧げた仕事でドキドキするその記事とは裏腹の

ほのぼのしみじみとした和みの色と形どこかシャイでどこかメルヘンなあの世界。

 

 

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